中村優文,山口周悟,福里司,森島繁生

肖像画実写化手法の提案

Visual Computing / グラフィクスと CAD 合同シンポジウム 2016

http://ipsj-gcad.sakura.ne.jp/vc2016/

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中村優文,山口周悟,福里司,森島繁生, “肖像画実写化手法の提案”, Visual Computing / グラフィクスと CAD  合同シンポジウム 2016 , Oral, 東京, 日本, 2016.6/18-6/19 코끼리.

 

Abstract

本稿では,入力の肖像画の陰影や形状は保持しつつ,実写真の肌テクスチャと色味を参照することで,肖像画の実写化を行った.肖像画は顔の詳細な特徴を視覚的に伝える手段として用いられ,主に人物の顔を記録,または顔の印象を視覚化するために描かれている.肖像画には大きく二種類ある.モデルや個人の特徴の情報に対して忠実に描かれた肖像画と,モデルの特徴的な箇所や印象が誇張して描かれた肖像画(似顔絵)の二つである.これら二種類は状況によって使い分けられているが,本研究では前者の肖像画に注目した.モデルや個人の特徴の情報に対して忠実に描かれた肖像画の特徴は顔の陰影や形状は写実的であるのに対し,肌の質感(テクスチャ)や色味は油彩・水彩・鉛筆といった描画材料での表現により非写実的な点である.この肖像画が具体的に使用される場面の例として,犯罪捜査等の人物捜索,歴史的偉人の顔の記録などがあげられる.人物捜索においては対象の人物の印象や記憶から肖像画が描かれ,それをもとに捜索をする.しかしながら,肖像画では人のリアルな肌のテクスチャや自然な色味を表現するのに限界があり,肖像画から実際の人物を特定することは困難である.また,同様の理由から歴史人物の肖像画をもとに,本人の印象を推定することも依然として困難である.そこで,本手法によって,入力の肖像画の陰影や形状は保持しつつ,肌のテクスチャと色味を実写真で表現することで,肖像画から実際の人物を特定する補助になり,人物捜索への貢献や,歴史人物の顔情報の付与による歴史学・考古学への貢献が期待される.

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