島村 僚,粥川 青汰,中塚 貴之,宮川 翔貴,森島 繁生
VRにおける仮想的な坂道昇降動作と視覚操作に対するユーザ評価
インタラクション2019
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本研究では現実空間において平地を歩いているユーザに対し,ヘッドマウントディスプレイ(HMD)を用いて坂道を表示し,昇降させた際の知覚に関してユーザ評価を行った.
広く普及しているHMDの多くは,使用環境としてリビングや実験室といった部屋を想定している.
現実–仮想空間における移動量を一対一で対応させている限り,仮想空間での行動範囲は現実のルームスケールに限定される.
特に鉛直方向への移動は,実際の階段を登るといった危険を伴う.
そのため,HMDの表示方法を制御(以下,視覚操作)しユーザを誘導することで,仮想空間におけるデザインの自由度を拡張する取り組みがなされてきた.
しかしながら,人間の知覚が大きく関わることもあり最適な視覚操作はいまだ提案されていない.
本研究はケーススタディとして,平地を移動するユーザが仮想的な坂道を昇降する際の知覚をリアリティ・負荷感・高度変化感の3つの側面から調査した.
ユーザ評価の結果,仮想空間内での頭部および足の移動量を変更することで,ユーザの身体へ負荷感を与える傾向があることを確認した.